10/30 新卒でJapanese traditional big companyに入って半年で転職するということ
転職してとても楽しく働いているのでここら辺で振り返りをやっておきたいと思う。
なぜ前職に入ったか?
・なんとなくやりたいことが見出せなかったので、公共性の高いところで薄く広く貢献するかと思った。日本の金をじゃぶじゃぶ使って研究させてもらったので。
→やりたいことがなくてもやりたくないことがたくさんあった。
・なんとなく30年潰れない会社に行っておいて楽しかったらそのままぬるぬるやればいいなと思った。
→楽しくなかった。
・次は物理で鍛えた能力を元に世の中を便利にしてやるかと思った。
→世の中の人は物理にあんまり特殊な感慨とかが無いみたいであんまり物理を生かす道を人事的に見つけられなかったみたいだった。
素直に機械学習とかやらせとけばよかったのに……。
あの会社のレベルなら、正直それ専門のやつより私にやらせたほうが面白かったと思うけど。
そこから派生するとなんであいつがあんな楽しそうなことやってんだふざけるなという話にもなりイライラしていた。
なぜ前職が嫌だったか?
・自分がやる必要がある/覚える必要があると思えない仕事ばかりだった。
長年のやり方で現場に最適化された方法に馴染んで覚えていくことが自身の人生にとってプラスになるとは思えなかった。
俺はもっとユニバーサルなところでやってきたし、これからもやっていくぞという傲慢な熱い気持ちに溢れていたところもあるけれど。
ただその現場で通用しなかったわけだしユニバーサルじゃないというのが皮肉ですなあ。
・考え方が小役人的だった。
自身のできる範囲で精一杯の最適化をしていけばどんどん働き方が効率化されるという感じだった。
できるだけリスクを取らないだとか、誰にも情報セキュリティの専門性なんてないのに制定されたセキュリティルールから生まれる雑務だとか……そういう自分が納得していない制約条件の元に最適化させられるのが嫌だったし、その制約条件の妥当性に誰も異議を唱えない。(そんなことしてたら組織が動かないので当たり前だけど)
でも最適化問題は制約条件も多分大事なんだぜ。知ってる?俺はよく知らないけど。
・マイクロソフトオフィスが嫌いだった。
まあ使う時は使うんですけど。
それに似た要素としては電話取りなんかもあった。21世紀なんだからわざわざ私に交換手やらせないでください。
・自分のキャリアがびっくりするくらい生きなかった。
これは前職の上長にも皮肉な感じで同意された。
キャリアについては、お互いすごい軽んじあっていたので、お互い様という感じはするけれど。あんたが現職でやってきた数年間より俺の学生のころの2年間のほうが世界的に価値のある先端的なことをやってきたという自負は出ていたと思うし、そんな新人入ってきたら私でも嫌だよ。
しかし、一般的に自分でちゃんと考えて勉強することとか研究することを選んできたという自覚(事実がどうであれ!)があるならキャリアが生きる仕事をしないとダメだなと痛感した。
・毎月毎月自分のやったこと/できなかったこと/できたことを書かされるのがめちゃくちゃ嫌だった。
やりたくない仕事に対して、もっとうまくできたとか考えられなかった。(人間性の問題かもしれない)俺は誰かがハードディスクを持ち込むための申請書類の書き方とか誰にハンコを貰えばいいかとかを覚えたことを、できるようになったことに計上するくらいなら、死んだほうがましだと思うし、そんなことをいちいち改善できただなんて考えたくもないし、東大を院まで出てそんな仕事をさせる社会はやっぱ狂ってる気がする。
そもそも現場のやりかたに染まりたくねえなあ〜って思っていた上に、できるようになったことがその現場とかその会社でしか通用しなさそうに思える軽々しいことばかりで、それが増えて行くというのが単なる嫌悪感の増加になってしまった。
今思うと自分で考えたこととか、ネットで読んだ最近流行のものに対する価値を置きすぎで、せめてもうちょっと、特に進め方の面ではうまいなと思う人の真似をするとか、現状のやり方について考えてみるとか、わかるまで教えてもらうとか、素直にやるべきだった。
ただ、結局それって全部長年この現場にいたっていう話だよなあ、としか前職では思えなかったので、真似するにしてもなあと思っていたのも事実なので、それが本質になる職業なら遅かれ早かれやめてたしいいんだろう。
普通、30年もののおっさんが試行錯誤して作り上げてきた何かと、今の新しい仕組みなら、新しいほうのがいいでしょ。多分ね。前職では"普通"とかって前置きするなって言われたなあ〜。お前が世の中の何知ってんだって感じか。お前こそ世の中の何知ってんだって感じだ。
さらに悪口を重ねると、結局その30年も競争にさらされてない30年だから、あんまり信頼できなかった。し、結局競争に晒されずにここまでやってきたっていう意識が結構薄そうだった。あの組織の中に既得権益の中でやってきていることに対しての実感が薄い人たちがたくさんいることに結構失望した。
・作業の目的が自分で構成できなかった
今思うとだいたい雑用ばっかだったわけだからチームの全体最適化ってなんでもかんでも答えておけばよかった。
この辺時々思いついたようにチームの全体最適化とか答えてたわけだけど、それ一回答えたのに次出てこないってことは君本当はそんなこと思ってないでしょって見透かされてたのかもしれない。
そりゃそうだ、雑用というのは誰かが自分がやりたくないけどやらなければならないことを誰かに押し付けるゆえに発生するわけで、そんなん自分でやってくださいよという感じだ。
前職でよかったこと
・仕事を進めるにあたって、どのあたりを押さえておけばよいかが非言語化された。
ただ、前職ではびっくりするくらい仕事がやりたくなかったので、自分からそれを抑えようとしていなかった。我ながらすごい新人だと思う。
・やりたくないこと及びやりたくないことをどれくらいやれるかがだいぶ明確化された
まあ何がやりたくないかはだいたい伝わっていると思うので省略。
新卒で入って半年で転職するということは?
・相当ファンキーなことだと思う。
現職でもたまにいじられる。
・転職の話をして、身を慮ってくれた友人の数がめちゃくちゃ少なかった。
私がすごく強がって見える部分もあるんだろうけど、真面目にキャリアプランの心配をしてくれたのが1人、現状に対する不満だけで動くなと言ってくれたのが1人、次はちゃんと社会性を持ってやれよと言ってくれたのが1人、それ以外本当にみんな面白がるだけだった。うそ……私の人望、少なすぎ?
まあ、合わないならさっさとやめて次に行こう。
世の中の大半はやりたい仕事なんてできてないって前職のトレーナーは言った。就職の際、やりたいことが無いのに妙な意思決定をしてしまったのは事実で、俺の落ち度だ。大学院の時点まで、俺はやりたいことをやってきたはずで、俺はこれからも自分がやりたいと思ったことを素直にやりたいし、やれないならなんとかして探すだろう。
またどこかで会おう。どこに行っても通用するスキルを持っているのに、どこにも行かないおかしな人たち。
追記:
読み返して思ってたんだけど、あんまり真剣に読まないほうがよくって、まあ、クソ生意気だけどうまく使えば化ける新人(って自分で言っちゃうのかよ!)は、どこ行ってもうまく使われるわけじゃないんだよなって安っぽい話の一面も強くて、悲しいですなあ、所詮人間の敵は人間ですか、って感じ。
こういう時世の中の人はどう思うだろう?もっと才気煥発な(やっぱり自分で言っちゃうのかよ!)彼には適正のある仕事があってそっちにいけたならよかった?生意気で傲慢で使い物にならない東大卒が世の中の厳しさに負けて転職した?
でも、前職の人には誰も見る目がなかったんだねって思わせるくらい、あるいは辞めるって言ってから、自分の納得と俺の納得のために時間作ってくれたお偉いさんとかが満足に浸れるくらい、今後結果を出していけたらいいよな〜。
追追記:
じゃあ今なんで楽しいの?ってところを抜かしていた。
今楽しいのは、単純に自分の好きなものの考え方をしていいってところと、自分が考えたことをぶつけてみて的確に返答してくれて、自分のアウトプットでオッケーをくれる人たちと働けていることだと思う。
でもそれだけで給料はもらえないので、きちんと利益に寄与していきたい。それがとりあえず目標だな〜。